奄美・名瀬「日本酒と肴 みや川」。黒糖焼酎の島で、島の食材を日本酒で飲る店
〒894-0021 鹿児島県奄美市名瀬伊津部町10-13
奄美市名瀬伊津部町の「日本酒と肴 みや川」は、鎌倉でシェフをしていた店主が島の食材で組み立てる居酒屋。名物のシビのカツレツ、日本酒の揃え、値段と予算、17席で予約が要る理由までまとめました。
奄美で飲むなら黒糖焼酎、というのがこの島の常識だ。だから店の名前に「日本酒」と掲げている一軒があると聞いたとき、どういう店なのか見当がつかなかった。
名瀬の飲み屋街を抜けた外れ、永田川に架かる橋のそば。レンガ造りの建物の1階に、酒瓶をあしらった大きな暖簾が下がっている。「日本酒と肴 みや川」の暖簾だ。中に入ると、壁一面にセイロが積み上げられている。
鎌倉のシェフが、ホテルの立ち上げで島に来て独立した
この店の料理が他の居酒屋と違うのは、店主の来歴がそのまま出ているからだ。
店主の宮川明久さんは神奈川・湘南の出身で、鎌倉のレストランでシェフをしていた。奄美に来たのはホテルの立ち上げのためで、そのまま島に住み、2021年3月に自分の店を開いた。掲げているのは「レストランの上質を居酒屋で」というコンセプトだ。
独立のきっかけは、島で漁師や農家、酒造会社とつながりができたことだったという。店で使う島魚も島豚も島野菜も、産地から直接引いてくるものがある。メニューのデザインは妻の敦子さんが手がけていて、屋号とは別に「THE FOOD BAND」という会社名を持っている。
名物はシビのカツレツ。島の魚が洋食の手つきで出てくる

この店で最初に頼むものは決まっている。しびのカツレツ 1,100円だ。
シビは奄美で獲れるキハダマグロのこと。それを衣で包んで、中心を生に近い状態で揚げてある。添えられているのは知覧茶の塩で、レモンでも醤油でもない。マグロを揚げるという発想自体が島の居酒屋には無かったもので、この一皿が店の看板になっている。

刺身も一手間が違う。お刺身盛合せ 2,860円(2人前)は、魚ごとに合わせる調味料を店で作り分けてある。島味噌の佃煮、たんかんの皮を塩とブレンドしたもの、喜界島の柑橘・花良治みかんの皮、島の伝統野菜ハンダマを醤油に漬け込んだもの。醤油の小皿を回してくる盛り合わせとは別物だと思っていい。
お通しにはセイロに入った焼売が出てくる。店に入ったとき目に飛び込んでくる壁一面のセイロは、飾りではなく実際に使う道具というわけだ。
メニューと値段

| メニュー | 値段 |
|---|---|
| しびのカツレツ w/ 知覧茶塩 | 1,100円 |
| しびのレアステーキ | 1,320円 |
| お刺身盛合せ(2人前) | 2,860円 |
| 島豚焼売(4個) | 1,100円 |
| 島豆腐と島豚の肉豆腐 | 990円 |
| 島豚麻婆豆腐 | 1,320円 |
| 地魚とあさりの吟醸蒸し | 2,200円 |
| 地魚の酒粕西京焼き | 2,530円 |
| 鹿児島黒牛たたき | 3,080円 |
| うなぎの焼きおにぎり | 770円 |
| からすみフライドポテト | 990円 |
| ゴルゴンゾーラと大納言小豆の最中 | 660円 |
品書きは造り・逸品・島豚・地魚・黒毛和牛・ご飯物と分かれていて、全体で30品ほど。島豚の麻婆豆腐やレバーのオイル煮のように、和食の枠に収まらないものが平気で混じっている。締めにはうなぎの焼きおにぎりや海鮮ばらちらし丼がある。
品数を絞って組み立てたい人には、季節のおまかせコース 7,700円(1〜6名)も用意されている。
日本酒は10種類ほど。黒糖焼酎も揃っている
看板に日本酒と書いてある通り、置いているのは奄美では手に入りにくい本土の蔵の酒だ。常時10種類前後で、顔ぶれは時期によって入れ替わる。店主が蔵元を訪ねて選んだものを並べていて、「自分たちがいいと思ったものだけ」という基準で揃えているという。
かといって焼酎を置いていない店ではない。奄美大島や徳之島の黒糖焼酎も揃っているし、クラフトビールやワイン、オリジナルのレモンサワーもある。日本酒を軸にした店だが、飲むものに困ることはない。
料理の味付けが魚ごとに変わる店なので、酒も一杯目から決め打ちせず、皿に合わせて変えていくほうが楽しめる。
17席・予約必須。チャージと予算の目安

この店で一番押さえておくべき実務情報がこれだ。席は17席しかない。ハイカウンターが7席、テーブルが10席で、個室は無い。
そして人気店なので、予約せずに行くと入れないことが多い。食べログからネット予約ができるほか、電話(0997-58-8537)でも受け付けている。名瀬に泊まる日程が決まっているなら、島に着く前に取っておくくらいでちょうどいい。
会計まわりで先に知っておきたいのは2点。チャージが1人660円かかることと、2時間制であることだ。予算は1人6,000〜8,000円が目安で、しっかり飲むと8,000〜10,000円に届く。名瀬の居酒屋のなかでは高い部類だ。
駐車場は無い。近隣にコインパーキングはあるが、そもそも飲む店なので、名瀬市街に宿を取って歩いて行くのが前提の立地だ。しまバスの本社から徒歩1分、永田川沿いなので、名瀬に泊まっていれば歩ける範囲に入る。
支払いはクレジットカード(VISA・Mastercard・JCB・AMEX・Diners)、交通系電子マネー・iD・QUICPay、PayPayが使える。全席禁煙で、喫煙は店の外になる。
名瀬のどこで飲むか、で選ぶ
名瀬には飲む店がいくつもあるので、みや川がどういう位置づけかを書いておく。
賑やかに島料理を食べて島唄も聞きたいなら鳥しんのような店のほうが合う。昼に家族で手頃に地魚を食べるならすし まんてん 小浜店だ。
みや川はそのどちらでもない。17席のカウンターとテーブルで、落ち着いて2時間座って、島の食材が一皿ずつ形を変えて出てくるのを日本酒で受ける店だ。一人で行っても居心地が悪くならない。予算と予約の手間はかかるが、旅の最後の夜に使うと収まりがいい。
店舗情報
- 店名: 日本酒と肴 みや川
- 住所: 〒894-0021 鹿児島県奄美市名瀬伊津部町10-13
- 電話: 0997-58-8537
- 営業時間: 18:00〜22:00(L.O. 21:00)
- 定休日: 火曜
- 席数: 17席(ハイカウンター7席・テーブル10席)/個室なし/貸切は20名以下で可
- 予算: 1人 6,000〜8,000円(チャージ660円/2時間制)
- 支払い: 現金/クレジットカード(VISA・Mastercard・JCB・AMEX・Diners)/交通系IC・iD・QUICPay/PayPay
- 駐車場: なし(近隣にコインパーキング)
- アクセス: しまバス本社から徒歩1分。永田川沿いのレンガ造りの建物1階
- 公式サイト: https://www.sakesakanamiyagawa.com/
- Instagram: @sakesakanamiyagawa
営業時間・定休日・値段は変わることがある。特に営業時間は、グルメサイトによって「13:00〜16:00の昼営業がある」「夜は23時まで」と案内しているところがあり、公式サイトの案内と食い違っている。ここでは公式の18:00〜22:00を採った。行く前に電話で確かめてほしい。
みや川が静かに飲む夜の店だとすれば、同じ名瀬には賑やかな側の店もある。地魚を安く食べるなら漁師居酒屋 脇田丸、島唄を聴いて一緒に唄う夜にするなら郷土料理かずみ。鶏飯と島料理を一度に済ませたい日は鳥しんがいい。
名瀬は奄美大島でいちばん飲食店が集まるエリアで、島に着いた初日と最終日を過ごす人が多い場所でもある。旅程を先に組んでおきたいなら、はじめての奄美大島 2泊3日モデルコースも合わせて読んでほしい。
よくある質問
予約は必要ですか?
必要。席は17席しかなく、予約せずに行くと入れないことが多い。食べログからネット予約ができるほか、電話(0997-58-8537)でも受け付けている。名瀬に泊まる日程が決まっているなら、島に着く前に取っておくくらいでちょうどいい。
予算はどのくらいですか?
1人6,000〜8,000円が目安で、しっかり飲むと8,000〜10,000円に届く。これとは別にチャージが1人660円かかり、2時間制になっている。名瀬の居酒屋としては上のほうの価格帯だ。
昼は営業していますか?
公式の案内は18:00から22:00(L.O. 21:00)の夜のみ。グルメサイトによっては「13:00から16:00の昼営業がある」「夜は23時まで」と書いているところがあるが、公式サイトの案内と食い違っている。
駐車場はありますか?
無い。近隣にコインパーキングはあるが、そもそも飲む店なので、名瀬市街に宿を取って歩いて行くのが前提の立地になる。しまバスの本社から徒歩1分、永田川沿いなので、名瀬に泊まっていれば歩ける範囲に入る。
一人でも入れますか?
入れる。ハイカウンターが7席あり、一人で行っても居心地が悪くならない店だ。旅の最後の夜に使うと収まりがいい。