鶏飯発祥の店「元祖鶏飯 みなとや」。メニュー全品の値段と待ち時間の実際
〒894-0513 鹿児島県奄美市笠利町外金久81
奄美空港から車で10分、笠利町の「元祖鶏飯 みなとや」。店頭のお品書きに載っている全品の値段、有料になるおかわり、予約できない受付の仕組み、待ち時間の実例までまとめました。
「元祖」を名乗る鶏飯の店は、島にここしかない。笠利町の「元祖鶏飯 みなとや」。道路沿いに鶏の石像が立っていて、台座に店名が入っている。奄美空港から車で約10分の集落の中だ。

予約は受け付けていない。当日に店頭で並んだ人だけが食べられる。そして材料がなくなれば、その日は終わる。
公式サイトにもそう明記されている。行けば必ず食べられる店ではないので、旅程に組み込むときは少しだけ設計がいる。
石像の隣には自動販売機が2台並んでいる。外で待つことになる店なので、これは地味に効く。
昭和21年創業。「元祖」が指しているもの
創業は昭和21年(1946年)。初代・岩城キネさんが、それまで炊き込みごはん風だった鶏飯を、ごはんに具材をのせて鶏スープをかけて食べる今の形へ作り変えた。店の公式サイトはこれを「昇華させました」と表現している。
つまりこの店の「元祖」は、鶏を使った料理そのものの始まりという意味ではない。現在わたしたちが「鶏飯」と呼んで思い浮かべる、あの食べ方の元祖である。
料理としての鶏飯の起源はもっと古い。農林水産省の「うちの郷土料理」は、奄美群島が薩摩藩の支配下にあった時代、本土から来る役人をもてなすために作られたのが始まりだと説明している。その古い料理を、戦後にこの店が今の形へ整えている。
店が島の外まで知られるようになった契機もはっきりしている。昭和43年(1968年)、当時の皇太子同妃両殿下が来島した際、奄美を代表する食事としてみなとやの鶏飯が供された。ここから全島に、そして本土に名前が広がっていった。
運ばれてくるもの
席に着いて注文を通すと、テーブルに並ぶのは4つ。
店名が藍色で入った具材の絵皿。白飯を盛った黒い茶碗。木の落とし蓋とお玉が添えられた黒い鉄鍋。そして赤い漆の蓋物。スープは土瓶ではなく、この鉄鍋で熱いまま運ばれてくる。

皿の上には7種類。鶏のほぐし身、錦糸卵、椎茸の煮付け、刻みねぎ、海苔、みかんの皮を乾燥させた「みかん粉」、そしてパパイヤ漬け。
写真を見てもらうと分かる通り、鶏のほぐし身が皿の面積の半分近くを占めている。機械でほぐしたものではなく、手で裂いた粗さがそのまま残っている。ここが多いか少ないかで鶏飯の印象はかなり変わるので、この店の配分は覚えておいていい。
店が教える食べ方は、「ごはんを少なめによそう」から始まる
公式サイトには食べ方が5段階で書かれている。ここが面白い。
- ごはんは少なめによそう(店はこれを「おいしさの第一歩」としている)
- 鶏肉・錦糸卵・椎茸・パパイヤ漬けなどを彩りよくのせる
- 炊き出した鶏スープを、熱いままたっぷりかける
- 軽く混ぜながら食べる
- あっさりしているので、自然と2杯目にいける
最初の一行が全てを決めている。ごはんを山盛りにすると、スープをかけたときに具とスープの比率が崩れる。だから最初は軽くよそって、2杯目に進む。それがこの店の想定している食べ方だ。
黒い茶碗にはあらかじめ白飯が盛られて出てくるので、はじめての人ほど「これを全部食べる」と考えがちだが、店の設計はそうなっていない。
値段。お品書きに載っている全品

店に貼り出されているお品書きから、載っている品を全て書き出す。
鶏飯とおかわり
| 品目 | 値段 | 備考 |
|---|---|---|
| 鶏飯 | 1,500円 | |
| お子様鶏飯 | 700円 | 小学生以下のお子様のみ |
| ごはん おかわり | 300円 | 一人前あたり |
| スープ おかわり | 400円 | 一人前あたり |
ごはんとスープのおかわりは有料である。ここは知らずに行くと戸惑うところなので、先に頭に入れておきたい。
前の節で書いた「ごはんは少なめに」「自然と2杯目へ」という店の食べ方と、この追加料金は当然つながっている。1,500円で始まって、2杯目までいくと1,800円か2,200円になる。この店の実際の予算は、1,500円ではなく1,800〜2,200円で見ておくほうが現実に近い。
一品料理
| 品目 | 値段 |
|---|---|
| もずく | 400円 |
| 鶏皮の炙り焼き | 400円 |
| 豚のみそ漬け | 400円 |
| ピリ辛手羽 | 600円 |
| ザーサイ卵炒め | 500円 |
| 長命草卵炒め | 500円 |
| ランチョンミートの卵炒め | 500円 |
お品書きには「※数量限定 品切れの際はご了承下さい」と添えられている。ランチョンミートの卵炒めは手書きで追記されていたので、品目そのものが入れ替わっていく前提だと思っておくといい。
長命草は奄美や与論で食べられてきた青菜で、島の外の食堂ではまず出てこない。鶏皮の炙り焼きは評判がよく、鶏飯だけでは足りない人がよく足している一品でもある。
飲み物
| 品目 | 値段 |
|---|---|
| 奄美名産みき | 300円 |
| 薬草茶 | 400円 |
| オレンジ | 200円 |
| コーラ | 200円 |
| 烏龍茶 | 200円 |
| パッション | 400円 |
| マンゴー | 400円 |
| ノンアルコール | 400円 |
| スーパードライ | 500円 |
| 缶ビール(発泡酒) | 400円 |
| 黒糖焼酎(水割り) | 500円 |
| 黒糖焼酎(ロック) | 600円 |
| ハブ酒 | 800円 |
パッションとマンゴーには「テイクアウトOK」と手書きで添えられている。
「みき」はお品書きの中でだけ、わざわざ説明書きが付いている。白米・砂糖・さつまいもで作る奄美の伝統的な飲み物、と店自身が書いている。300円なので、島に来て一度も飲んだことがないなら、ここで頼んでしまうのが早い。
なお一品料理と飲み物の価格は、公式サイトには掲載されていない(季節や仕入れで変わるため、と説明されている)。上の表は店頭のお品書きの内容で、訪問時点のものだ。
予約はできない。当日の受付だけ
公式サイトの表現はこうだ。ひとつひとつ丁寧に手作りしているため大量生産はせず、来店受付の客だけを時間を分けて案内している、と。
そのうえで「予約は受け付けておりません」と明記されている。電話予約もネット予約も窓口がない。
やることは単純で、店頭に並ぶ。番号札や記帳票のような仕組みは用意されていないので、着いた順にそのまま並ぶことになる。開店後は席が空いていても一組ずつ案内されるため、店内が見えていてもすぐには入れない場合がある。ここで苛立たないよう、仕組みとして先に知っておくといい。
営業は11時30分から。閉店時刻は決められておらず、材料がなくなった時点で終了する。
待ち時間は、季節と時間帯で大きく振れる
固定の目安を書くのが難しい店なので、実際の記録を並べる。
| 時期・時間 | 実際の状況 |
|---|---|
| GW中の平日 10:50着 | 先客2組。11:30の開店時には席数を少し上回る行列に |
| 3月の週末 13時過ぎ | 3組待ち、約10分で案内 |
| 8月 開店時点 | 約4組 |
| 11月(閑散期) | 待たずに入店 |
| 12月 13時過ぎ | 混雑なし |
| 1月・繁忙期 | 長い待機列。駐車場待ちが出ることも |
読み取れることは2つある。
ひとつ、開店前後がいちばん混む。11時30分の開店に合わせて人が集まるので、その山を正面から受けにいくと待つ。
ふたつ、13時前後は空いていた例が複数ある。ただしこれを狙うのはおすすめしない。材料がなくなり次第終了する店なので、遅く行くほど「そもそも終わっていた」の可能性が上がる。空いている時間と、確実に食べられる時間は、この店では一致しない。
確実性を取るなら開店前に着いて並ぶ。待ち時間を減らしたいなら遅めに行って、空振りを受け入れる。
店内は座敷とテーブルの混在。子ども連れは入りやすい

大きな窓が二面に取られていて、そこに簾が下ろされている。光は入るが直射は遮られる、という明るさになっている。
席は掘りごたつ式の座卓と、椅子のテーブル席が混在している。掘りごたつは足を下ろせるので、正座が苦手な人や小さい子ども連れでも構えなくていい。
見落としやすいのが、窓の上に並んでいる額だ。新聞記事の切り抜きと、来店した人たちの色紙がずらりと掛けてある。待っている間や配膳を待つ間に眺めると、この店がどれだけの年月と人を通してきたかが分かる。
席数については媒体によって案内が割れている。奄美大島観光協会と食べログは80席、Rettyは70席、JALの掲載はテーブル28席+座敷72席で100席としている。実数は店に確認しないと確定できないが、「団体が入れる規模ではあるが、一組ずつ案内されるので席数ほどの回転はしない」と理解しておけば実用上は足りる。
島を出てからも食べたいなら、通信販売がある
この店は鶏飯を冷凍で発送している。値段の構造が独特なので、書き出しておく。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 鶏飯 1個 | 1,300円 |
| 送料・冷凍料・代引き手数料(全国一律) | 2,000円 |
| 沖縄県への発送 | 上記に中継料 +2,000円 |
※価格は公式サイトに「2026年2月現在」として掲載されているもの
つまり1個だけ頼むと3,300円になる。店で食べる1,500円より高い。この通販は、まとめて頼むことで初めて成立する設計になっていて、10個以上の注文で送料が無料になる。10個なら13,000円、1個あたり1,300円だ。
いくつか注意点がある。具とスープはまとめて入って届く(小分けを希望する場合は2名分から対応)。ねぎと海苔は入っていないので、自分で用意する必要がある。支払いは原則として代引き、届け先と依頼主が違う場合だけ振込に対応している。
家族や職場でまとめる前提なら現実的な選択肢になる。ひとり分だけ取り寄せるものではない。
行く前に確認しておきたいこと
この店は、掲載されている媒体によって情報がかなり食い違う。実際に行く前に押さえておきたいのは次の4点。
- 古い公式サイトのURLが各所に残っている。飲食店情報サイトや旅行系の記事には
minatoya.amamin.jpが公式として載っているが、現在このURLはつながらない。現行の公式サイトは https://minatoya-amami.netlify.app/。営業情報を確認するときは、こちらか公式Instagramを見る - 営業時間の情報が割れている。公式は「11:30〜、材料がなくなり次第終了」で閉店時刻を出していない。一方、食べログは11:30〜13:00(L.O.12:30)、Googleの表示は11:30〜14:00、JALの掲載は11:00〜15:00と、どれも違う。食べログの記載にはコロナ期の営業短縮の注記がそのまま残っている。固定の閉店時刻があると思って動かないほうがいい
- 定休日は不定休。曜日で決まっていない。営業しているかどうかは当日に決まるという利用者の報告もある。遠方から向かうなら、公式Instagramの確認か電話を1本入れておきたい
- 支払い方法は未確認。現金を用意しておくのが安全
店舗情報
- 店名: 元祖鶏飯 みなとや
- 住所: 〒894-0513 鹿児島県奄美市笠利町外金久81
- 電話: 0997-63-0023
- 営業時間: 11:30〜(受付開始。材料がなくなり次第終了)
- 定休日: 不定休
- 予約: 不可(当日、店頭で並ぶ)
- 座席数: 70〜100席(媒体により案内が異なる)
- 駐車場: あり(台数は非公表。繁忙期は駐車場待ちが出ることがある)
- アクセス: 奄美空港から車で約10分
- 公式サイト: https://minatoya-amami.netlify.app/
- 公式Instagram: https://www.instagram.com/minatoya.keihanganso/
値段・営業時間・定休日は変更されることがあるため、訪問前に公式サイトまたはInstagramで最新情報を確認することをおすすめする。
笠利であわせて回るなら
みなとやのある笠利町は、あやまる岬や土盛海岸など、空港からすぐの距離に良いビーチが集まるエリアだ。海と組み合わせて回るなら笠利エリア観光ガイドにまとめている。
そして、この店は不定休で当日にならないと営業が分からない。みなとやを目当てにする日は、代わりの一軒も決めておく。
空港から名瀬方面へ向かう途中、龍郷町のひさ倉なら、鶏を自家飼育している店の鶏飯を、待ち時間の読みやすい形で食べられる。同じ鶏飯でも、店ごとにスープも具の配分もまったく違う。
鶏飯という料理そのものの成り立ちについては、一杯の鶏飯から知る、奄美の食卓に書いた。
よくある質問
予約はできますか?
できない。公式サイトに「予約は受け付けておりません」と明記されていて、電話予約もネット予約も窓口がない。当日、店頭に並ぶことになる。番号札や記帳票のような仕組みは用意されていないので、着いた順にそのまま並ぶ。
何時に行けばいいですか?
11時30分の開店前後がいちばん混む。13時前後は空いていた例が複数あるが、材料がなくなり次第終了する店なので、遅く行くほど「そもそも終わっていた」の可能性が上がる。確実性を取るなら開店前に着いて並ぶ。
予算はどのくらいですか?
鶏飯が1,500円。ただしごはんのおかわりが1人前300円、スープのおかわりが1人前400円で、どちらも有料になる。2杯目まで食べる前提なら、1,800〜2,200円で見ておくほうが現実に近い。
通信販売はありますか?
ある。鶏飯1個1,300円に、送料・冷凍料・代引き手数料が全国一律2,000円かかる(沖縄県への発送はさらに中継料2,000円)。10個以上の注文で送料が無料になるので、まとめて頼む前提の設計になっている。ねぎと海苔は入っていないので、自分で用意する必要がある。
子ども連れでも入れますか?
入れる。席は掘りごたつ式の座卓と椅子のテーブル席が混在していて、掘りごたつは足を下ろせるので、正座が苦手な人や小さい子ども連れでも構えなくていい。小学生以下向けのお子様鶏飯700円もある。